XCacheによるEOSファイル読み出し (テスト運用)
Tier3からのみ利用できるXCache サーバー(xcache1.icepp.jp)をテスト運用しています。
このXCacheサーバーはCERN ATLAS EOS (/eos/atlas)へのアクセスを高速化するキャッシュサーバーです。
アクセス先のホスト名を eosatlas.cern.ch から xcache1.icepp.jp に変更するだけで、シームレスに利用できます。特に、キャッシュが有効となる 2回目以降のアクセスで速度向上が期待できます。
活用シーン
- 繰り返し同じデータを読み込むジョブ Tier3のログインノードやバッチジョブでEOS上のデータを利用する際に活用できます。特に、同じデータセットを何度も読み込む場合に大きな性能向上が期待されます。
- CERN分室からTier3へのデータ転送の高速化 CERN分室のデータをTOKYO Tier3のGPFSなどへコピーしたい場合、「CERN分室 → EOS → XCache → Tier3 GPFS」という経路を経由させることで、通常よりも転送速度が向上する可能性があります。
使い方
通常のアクセスと同様に、ターゲットホストを xcache1.icepp.jp に指定して実行します。
事前準備
ROOTとグリッドプロキシ証明書をセットアップします。
ファイルのダウンロード
gfal-copy を使用したダウンロード例です。
ROOTでの直接読み取り
$ lsetup "views LCG_109a x86_64-el9-gcc15-opt"
$ root
// ROOTプロンプト内
root [0] auto f = TFile::Open("root://xcache1.icepp.jp//eos/atlas/path/to/ntuple.root", "READ")
利用にあたっての注意点
アクセス権限とセキュリティに関する重要事項
- 全ATLASユーザーに対して読み取り権限があるファイルのみキャッシュ可能です。特定の個人のみに制限されているファイル(例: パーミッション
600など)は読み取れません。 - キャッシュされたファイルは、他のTOKYO Tier3ユーザーからもアクセス可能になります。そのため、機密性の高いデータや秘密ファイルなどは XCache を経由させないようご注意ください。
キャッシュの手動削除 (Evict)
EOS上のオリジナルファイルが更新されても、キャッシュには自動で反映されません。オリジナルを変更した場合は、以下のコマンドで手動によるキャッシュの削除を行ってください。
# 最後の引数を、キャッシュを削除したいファイルのパスに変更して実行します
$ xrdfs "root://xcache1.icepp.jp" cache evict "/eos/atlas/path/to/test"
同時接続数の制限について
現在1台のファイルサーバーでテスト運用しているため、多数のアクセスが集中すると帯域が飽和します。目安として、同時接続数が30を超えるとパフォーマンスが低下する可能性がありますのでご留意ください。
ネットワーク制限
Tier3のログインノード、及びバッチノード(HTCondor)のみアクセスが可能です。その他のノードや外部ネットワークからのアクセスはできません。
テスト運用とフィードバックのお願い
本サービスはテスト運用中のため、予告なく停止する可能性があります。あらかじめご了承ください。
(参考) パフォーマンス(スループット)比較
| 利用環境 | 経路・ホスト情報 | スループット目安 |
|---|---|---|
| Tier3 通常利用時 | eosatlas.cern.ch → login.icepp.jp |
約 10 MB/s |
| Tier3 XCache利用時 (初回) | xcache1.icepp.jp → login.icepp.jp |
約 45 MB/s |
| Tier3 XCache利用時 (2回目以降) | xcache1.icepp.jp → login.icepp.jp |
約 500 MB/s |
| CERN分室 (参考) | eosatlas.cern.ch → lxatut.cern.ch |
約 50 MB/s |